直前激白

Chanceを逃さぬ準備が大切。Derby Kingを目指す2人のトークがハズむ!
菊地孝平X白井英治
きくち こうへい
1978年(昭和53年)8月16日生まれ。静岡支部・82期。1998年5月、浜名湖でデビュー。2001年5月、びわこ・一般競走で初優勝。04年7月、常滑・周年記念でGI初優勝。05年8月、若松・メモリアルでSG初優勝を飾る。14年には福岡・オールスターと浜名湖・グラチャンでSG連覇、最優秀選手に選ばれた。
しらい えいじ
1976年(昭和51年)10月15日生まれ。山口支部・80期。1997年5月、下関でデビュー。99年1月、蒲郡・一般競走で初優勝。2003年10月、平和島・周年記念でGI初優勝。14年8月、若松・メモリアルでコンマ00のタッチスタートを決め、SG初優勝を飾った。今回のダービーへは勝率1位で選出されている。
つらいときにはドンマイケル 万全の準備と、整備の妥協ラインを見極めて、勝負!

白井英治と菊地孝平は、昨年のグランプリで優勝戦まで駒を進め、人気を二分した。茅原悠紀の大外差しに敗れはしたものの、全力を尽くした者にしか味わえない充足感があったという。
今年もグランプリの舞台へ、その気持ちに揺らぎはない。ダービーは2人にとって賞金戦線に残る正念場だ。 ダービー勝率1位と地元のエース格が、それぞれのプライドを懸けて、臨戦態勢に入る。

(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』依藤研二)

朝まで麻雀&語り合う仲

-- お2人はいろいろと交流がおありだと伺っていますが・・・?

菊地僕が記念を走り出した頃、白井さんは既にSGやGIを走っていて、よく声をかけてくれていました。山口支部には、同期の谷村一哉もいましたから。

白井不思議なもので、静岡の人間とはなんか合うんだよ。話をしても安心感があるし、みんな個性があって、それぞれ違うけどイイんだよな。キク(菊地)、ツボ(坪井康晴)、ヨコ(横澤剛治)の静岡82期は、期も近いから好きでしょうがない。

菊地服部(幸男)さんとかも交えて麻雀打ったりしますよね。この前も蒲郡メモリアル終わりでそのまま浜松に行って、朝まで麻雀やりました。

白井あのときはボート選手とプロ雀士の交流大会だった。プロ相手でも、キクの打ち方は攻撃的だよなぁ。オレは相手がどんな打ち方するのか、って見るよ。けど、キクの打ち方は仕掛けは速いし、プロ相手でも臆さないし、ひるまない。普通、プロに対してミエミエの両面で待たないよ。

菊地あえて引っかける、とかもしないです。服部さんや徳増(秀樹)さんなど麻雀が上手な人と打つと、自分の意思を込めるほど勝てないんですよ。上がれないんです。待ちが悪くても即リー行った方が、意外とポロッと出てくるんです。

白井そう、上がれちゃうんだよ。プロ相手に上手に打とうと思ったら絶対に負けるね。麻雀は難しいよなあ。オレなんかは正統派だから、高い手じゃないとほぼ鳴かない。基本仕掛けるタイプじゃないんで。キクはポン、チーとくるけど、オレは自分の手が整っていないといかない。鳴いたら麻雀がグチャグチャになる。捨て牌も・・・って、麻雀の話ばっかりで良いんですか?まあ、そういう関係なんですよ。

菊地孝平X白井英治

SG連覇&初制覇

-- 2014年はお2人とも大活躍でした。

白井昨年は本当、キクの活躍に刺激されたね。SG2連覇って。それも両方ともウチの今村(豊)さんをやっつけているんだよ。

菊地僕が福岡のオールスターで優勝するちょっと前、2人で朝方まで語り合いましたよね。

白井そうそう、3月のクラシックはオレが予選トップ通過だったのに準優5着で・・・。その後の転戦の合間に浜松で一緒に呑んで、励まし合いながら語り合ったよな。そうしたら、キクがオールスターとグラチャンを勝って、オレがメモリアルで勝てたんで、すごく良い流れができたんだよ。グランプリもどっちかが勝っていれば良かったけど。

菊地それは結果が出る競技だから。でも、ボート界の最高峰のレースで、尊敬できる人たちと一緒に全力投入できたのは良かったですよ。

白井減量にしても、レースにしても、全員が限界に近い状況まで追い込んで戦ったので、負けても気持ち良いっていうか、最後は健闘を称えあって、すごく良い競技だなと。その気持ちを、ファンの方にも感じてもらえたら良いなと思います。

調整は「一言」あれば良い

-- 出力低減モーターの印象はどうでしょう。

白井最初に乗った児島の地区選で良いモーターを引きすぎたせいか、それから感覚がおかしくなりました。その後は従来型のレース場が続いて、オールスターの後にはフライング休みがあって・・・。レースに復帰してからはモーターは出ないし、ターンで行きたい所に行けない。児島では良い方のモーター差を感じたけど、今は逆ですね。自分が下手になったのかと思ってしまいます。

菊地なかなか差が縮まらないですよね。プロペラの調整が違っているのかもしれないし、それ以上に、モーターそのものに差があります。

白井5月に浜名湖を走ったけど、キクがゴールデンウィーク戦で乗っていたのは「このモーターは引いちゃイカンな」と思うやつだったよ。

菊地あのときは、今までやってきたことが全く通用しなかったんです。「こうやったら伸びが来る」「こうやったら回転が上がるはず」という作業をやっても、全く反応がなくて。真逆の調整をして、もっとおかしくしてしまいました。正解じゃなくても良いけど、反応すらないのは・・・。

白井だから迷うんだよな。正解らしいものを持っている人は強いよ。それがないから、最近のオレはダメなんだ。

菊地たまに悪いモーターばっかり引くときがあるんです。そのなかで良いのをポロっと引いたときに自分の感覚で施した調整が、その後のベースになることはありますね。

-- モーターの手応えとは、どんな感じですか?

白井一番分かりやすいのは、前検から伸びが来ていること。それが一番の手応えです。

菊地最初から伸びてくれるなら、それに色づけすれば出足や乗り心地も良くなる。伸びがないモーターは、出足を捨てて伸びをつけようとしても来ないことが多いです。

白井伸びをつけようとしているうちに3日目が終わって、準優に乗れない状況になってしまうとか。どこで妥協線を引けるか、です。キクがオールスターで優勝したときは、出足一本で勝ったよな。オレもあのモーターに乗ったことがあったから「そのモーターは伸びない」って言ったら、出足一本に絞っていた。

菊地少し伸びが甘いなと思っても、そういう一言があれば良いんです。実際、試運転では伸びられたけど、レースでは意外と伸びられませんでした。

捲りが利くのは向かい風

-- 浜名湖の水面イメージは?

菊地僕は地元なので走り慣れているけど、意外と捲りが利く水面ではないですね。

白井向かい風が吹いてくれれば、ダッシュ戦も利きやすいよな。優勝した58周年のときは突然向かい風が吹いたんだよ、レース前に。

菊地昨年のグラチャンもそうです。最終日は第9レースくらいから吹いてきました。

白井あの風(風速6m)のなか、今村さんも0台スタートを行った。あれも相当な勇気だよ。それでも結局、キクがトップスタートだった。

菊地ほとんど横並びだったけど、うまくハマりました。白井さんが優勝した58周年も、昨年のグラチャンも、捲りが決まったときの共通点は「向かい風」なんです。

白井それも、やっぱり事前の準備の成果だね。キクは地元だし、頑張ろうという気持ちはすごくあると思うけど。水面状況とか相性とかよりも、今はホント、なるようにしかならない。

-- 2008年の55周年では優勝戦ワン・ツーも決めています。

白井キクが1等でしょう?よく覚えています。服部さんが2号艇で。

菊地服部さんがスタートで遅れて。

白井キクだけが0台スタートを行ったんです。「すげぇヤツだな」と思った。

準備を整え勝機を逃さず

白井英治

-- ダービーは、お2人ともグランプリ出場へ勝負駆けです。

白井やるべき仕事をやって、やるべきレースをする、それしかないです。正直、メッチャやってやろうとかは思っていません。なるようにしかならない。

菊地常にやることはやっているので、今までどおりにやっていきます。実際、僕も白井さんも手を抜いてきたわけじゃないし、ずっと同じことをやってきた。今からギアを上げる気はないですね。

白井やる気を上げたところで、結果は一緒だよな。

菊地チャンスはある、来たところで逃さない。その準備はする。

白井準備、オレもそれはすごく思う。ゲージを作ったり、整備やレース場の情報を仕入れたり、常に臨戦態勢でいるための準備はする。もし、オレが55kg台の体重でいるようなら、それは全く準備ができていないってことだから。

-- 菊地選手は浜名湖グラチャン2日目には50kg台でした。

白井気持ちが入ると体重も落ちやすいですね。でも、2日目で50kg台は早かったな、お前。

菊地前検からモーターが出ていましたから。あれは最近で一番良かった。

白井グラチャンは2人ともドリーム組で、前検からキクがヤバいなと思っていた。

菊地チャンスと思ったら狙いに行きますよ。今年の大村オールスターはフライングをしてしまいましたけど。チャンスと思ったんで。

-- 白井選手は多摩川周年最終日にフライング・・・。

白井あれは、してはいけないフライングですよ。でも、0台スタートを行って1マークを先に回らないと勝負にならないってくらい、モーター差がありました。冷静になってから考えると、モーターだけでなく、心にも余裕がなかった。

菊地 予選で無理に「前へ行こう、行こう」って気持ちでいると、最終日までその感覚が残ることがあるんですよ。

白井そんなことを繰り返しているんだよなあ、もったいない。

菊地そこで適当なスタートをする人だったら、切れ味鋭い白井さんじゃなくなる。

白井このままでやっていくしかないよな。これがオレの持ち味でもあるし、それを支持してくれるファンの方もいるし。多摩川でフライングした次の日に「ドンマイケル」ってメールが来たんですよ、キクから。

菊地落ち込む人にはできないけど。

白井「ドンマイケル」来たら・・・、笑うしかないでしょう。

菊地白井さんが多摩川のSG(2005年クラシック)でフライングしたときも「ドンマイケル」。

白井お前、よく覚えているなあ。あのとき、一番に声をかけてきたのはキクだった。

菊地つらいときだからこそ明るく、ですよ。

-- 昨年のMVP・菊地選手には、浜名湖開催SG連覇もかかります。

菊地いろいろな賞をいただいたり、表彰式に行ったりすると、責任を持ってやらないといけないと感じます。歴代の名だたる方と同じ賞をいただいて、ぶざまなレースはできないと思ってやっているんですけど・・・。

白井そう思わないといけないよな。そういう感覚は、MVPであるキクにしか味わえないものだから。

ダービーを目前に

菊地孝平

-- 今回のダービー勝率1位は、白井選手です。

菊地すごい!

白井選出期間の頃はまだ自信があったけど、最近は自信がない。ダービーまでにキッカケをつかんでおかないと・・・。

菊地今年のマスターズは、誰が優勝しましたっけ?

白井今村さん。

菊地ここ2年、マスターズで優勝した選手の弟子がSGを獲っているんですよ。14年は金子良昭さん→僕、13年は江口晃生さん→ブス(毒島誠)でしょう?

白井おっ!じゃあ、グランプリシリーズで頑張ろうか。

菊地いやいや、そこは「ダービー」で。

白井芦屋のチャレンジカップはフライング休みなので、頑張りますよ。ここで今年を終わらせたくないよな!

菊地僕も、まだまだこれからです!

菊地 孝平 選手 データ室
(2015年9月20日現在)
◆通算成績

出走回数 優出 優勝 2連率 3連率
通算 4,031回 178回 45回 49.5% 66.7%
SG 609回 20回 4回 39.1% 54.0%
GI 1,379回 50回 7回 43.8% 61.2%
◆全国成績(最近3節)
15年 9月 桐 生 GI・周年 3 5 1 2 1 1 3 1 3
15年 9月 徳 山 一般競走 1 1 1 2 2 2 3 1 5 1 3
15年 7月 浜名湖 GI・周年 2 4 2 2 1 3 4 1 5
◆浜名湖成績(最近2節)
15年 7月 GI・周年 2 4 2 2 1 3 4 1 5
15年 5月 タイトル 4 4 5 4 6 3 6 2 2 3
レース写真
白井 英治 選手 データ室
(2015年9月20日現在)
◆通算成績

出走回数 優出 優勝 2連率 3連率
通算 3,803回 175回 67回 56.1% 71.7%
SG 583回 15回 1回 42.2% 60.9%
GI 1,385回 42回 9回 45.4% 62.8%
◆全国成績(最近3節)
15年 9月 桐 生 GI・周年 2 3 4 1 1 1 3 3 1
15年 9月 多摩川 GI・周年 5 6 3 3 1 3 3 4 F
15年 8月 蒲 郡 SG・メモリアル 5 6 2 2 4 3 1 5 2
◆浜名湖成績(最近2節)
15年 5月 タイトル 1 1 1 1 3 3 1
14年 11月 GI・周年 3 3 失(途中帰郷)
レース写真

SG BOAT RACE DERBY 歴代優勝者

開催年 開催場 優勝者
第1回 1953年 若 松 友永 慶近
第2回 1954年 徳 山 松尾  勝
第3回 1955年 福 岡 村田 吉広
第4回 1956年 浜名湖 中西  勉
第5回 1958年 江戸川 三津川 要
第6回 1959年 福 岡 深川  功
第7回 1960年 若 松 草川 祐馬
第8回 1961年 住之江 倉田 栄一
第9回 1962年 平和島 長谷部義一
第10回 1963年 住之江 歌谷  博
第11回 1964年 平和島 北原 友次
第12回 1965年 住之江 長瀬 忠義
第13回 1966年 住之江 芹田 信吉
第14回 1967年 尼 崎 不成立
第15回 1969年 平和島 金子 安雄
第16回 1969年 住之江 早川 行男
第17回 1970年 住之江 中野 信次
第18回 1971年 住之江 鈴木 一義
第19回 1972年 住之江 金子 安雄
第20回 1973年 住之江 北原 友次
第21回 1974年 住之江 野中 和夫
第22回 1975年 住之江 林   通
第23回 1976年 蒲 郡 野中 和夫
第24回 1977年 福 岡 松本  進
第25回 1978年 住之江 松田 慎司
第26回 1979年 福 岡 八尋 信夫
第27回 1980年 唐 津 吉田 重義
第28回 1981年 浜名湖 村上 一行
第29回 1982年 桐 生 安部 邦男
第30回 1983年 平和島 林   通
第31回 1984年 住之江 半田 幸男
第32回 1985年 福 岡 彦坂 郁雄
開催年 開催場 優勝者
第33回 1986年 桐 生 嶋岡  孝
第34回 1987年 平和島 今村  豊
第35回 1988年 多摩川 今村  豊
第36回 1989年 住之江 瀬古  修
第37回 1990年 戸 田 今村  豊
第38回 1991年 尼 崎 原田 順一
第39回 1992年 平和島 服部 幸男
第40回 1993年 戸 田 長嶺  豊
第41回 1994年 常 滑 植木 通彦
第42回 1995年 丸 亀 安岐 真人
第43回 1996年 福 岡 上瀧 和則
第44回 1997年 唐 津 山崎 智也
第45回 1998年 福 岡 濱野谷憲吾
第46回 1999年 戸 田 山室 展弘
第47回 2000年 戸 田 池上 裕次
第48回 2001年 常 滑 滝沢 芳行
第49回 2002年 平和島 原田 幸哉
第50回 2003年 戸 田 山崎 智也
第51回 2004年 福 岡 田頭  実
第52回 2005年  津  太田 和美
第53回 2006年 福 岡 魚谷 智之
第54回 2007年 平和島 高橋  勲
第55回 2008年 丸 亀 丸岡 正典
第56回 2009年 尼 崎 松井  繁
第57回 2010年 桐 生 瓜生 正義
第58回 2011年 平和島 池田 浩二
第59回 2012年 福 岡 丸岡 正典
第60回 2013年 平和島 瓜生 正義
第61回 2014年 常 滑 仲口 博崇
第62回大会 浜名湖 優勝戦
2015年10月25日(日)・第12レース