※登録第3941号池田浩二選手（愛知支部）は公傷の為欠場となりました。予めご了承ください。

人間の能力を超えた反応能力を持つ“超人”たちが
頂上決戦を前に、ギリギリの戦いを繰り広げる！？

グランプリ、クイーンズC出場者が多数参戦

今年から始まるプレミアムGIBBCトーナメントはSGチャレンジCの4日後、11月28日から4日間開催で争われる。グランプリ、クイーンズCといった年末のビッグイベントを前に、選手がどこまでやる気になるかだが、とりあえず「短期決戦」という視点から活躍する選手を探してみたい。

人間が0.10秒以内に反応するのは不可能

陸上の短距離走は、号砲の合図よりも早ければフライングなのだと思っていた。しかし、日本陸上競技連盟公式サイトには「0.1秒未満であれば不正スタート（フライング）で失格になります」とある。ボートのスリット写真なら、1間隔分はフライングゾーンと言うことだ。0.1秒未満と決めたのは、ピストルの音を聞いてから反応が起こるのに、0.1秒以内では不可能という理由かららしい。

静止状態からスタートするオートレースでも、大時計が0秒を指してから各ハンデ線を離れるタイミングは0.10～0.15秒くらいだから、反射神経が0.1秒という根拠は正しいのだろう。フライングをするとペナルティがあるのは、どこも同じである。

0台スタートは人の能力を超えたもの

ボートのスタートは静止状態からではないが、選手は平気で0.10秒未満のスタートを決めてくる。児島ダービーの準優では18名中15名が0台スタート、第11レースに至っては0.01秒が2名、残り4名も0台スタートだった。

モーターの加速状態、波や風など、走る条件は毎回違う。その中で0台のスタートを決めるのは、難しさを超えた問題である。いくら助走距離があるといっても、他の競技者には真似できないだろう。

短期決戦のキーワードは“先手必勝”

今回のBBCでは、勝ち上がり対象レースで3連単を外した時点で、選抜進出バトルに回される。スタートで先手を取れれば、上位着に入る確率が上がる。昔のびわこでは3日間開催をよくやっていたが、「初日に2連勝すれば優出できる」と第1レースで走らされるB級選手が目の色を変えてスタート勝負に出ていた。短期決戦では、それほどスタートが重要なのである。初日から0台のスタートを決めてくる選手がいれば、上位進出を約束された選手と言える。

初日に1着を獲っている選手を探せ

初日の1着率の高い選手も、短期決戦では評価材料になる。モーターを仕上げるのが早い選手も、短期決戦では有利に運ぶはずだ。1走毎にモーターを調整して仕上げるタイプやスタートの勘を修正してくる選手は短期戦に向いていない。今年1月から児島ダービー終了まで、10ヵ月のSG・GI・GII初日成績を調べてみた（表1）。

初日の1着率が30%を超えているのは、中谷朋子、興津藍、長田頼宗、丸野一樹、大山千広だ。一方、江口晃生、石川真二、長嶋万記は初日は未勝利である。この3名以外にも3連率が低い今村豊、寺田千恵、前本泰和、篠崎元志、守屋美穂、上條暢嵩、安河内将も短期戦向きではない。

序盤から攻める度胸のある選手を狙え

短期決戦でもう一つ重要なデータは、0台のスタートを決める度胸のある選手は誰かという視点だ（表2）。守田俊介は特別レースの初日に47走して0台のスタートを決めたのが20回もある。42.5%という驚異的な数字をマークしている。

30%台は山川美由紀、原田幸哉、池田浩二、柳沢一。「天才」と呼ばれてきた選手が多い。0台が10%未満の前本、篠崎、西村拓也、松本晶恵は短期戦向きではない。例外は丸野で、0台スタートは少ないものの、初日の1着率は高い。モーターの仕上がりが早いとみたい。

表1最近10ヵ月SG・GI・GII初日成績（2019年1月～10月29日）

表2初日の0台スタート発生率（2019年10月29日以前25節）