元ボートレーサー土屋幸宏が分析

土屋幸宏

元ボートレーサー 土屋幸宏分析
グランプリ優勝戦を考える

5年連続のイン逃げ決着中も、
平和島大会は全てイン敗退で波乱の予感!

前回平和島で行われた2014年・第29回大会を振り返る。出場枠が18に増え、2ステージ制となった最初の大会で、トライアル1st組の茅原悠紀が、2連率50.4%のモーターを相棒に6コース差しで栄冠をつかんだ。1st組が優勝した唯一の大会である。

当時の中継カメラは1Mを回ってすぐ、4コースから0.03のスタートで捲り差した菊地孝平をアップで映し出していた。菊地が左、そして左斜め前と、内に2度視線を送る。その視線の先、内伸びする平和島のVロードを突き進んだ緑の勝負服は、カメラが引いた時には1艇身前にいた。トライアル1stからの決まり手は、逃げ5勝、捲り2勝、差し2勝、捲り差し2勝、恵まれ1勝。5コース以外の全コースで1着があり、コース不問の平和島を象徴する大会だった。

過去に行われた平和島大会の優勝戦は前述のほか、1991年が2コース差し、2000年が3コース捲り。15年以降の平和島SG・G1優勝戦のイン1着率は64.3%と低く、昨年グランプリを開催した住之江の90.9%と比べてもイン受難は明らかだ。ただ、2連率上位6基が賞金ベスト6に割り振られた15年以降の大会はトライアル2nd発進組が5連続V、それも全部イン逃げ決着である。

今回は、優勝戦でインに入る選手を無条件に信用するわけにはいかない。順当決着か、大波乱か。一筋縄ではいかなそうだ。