the INTERVIEW
1984年5月5日生まれ。愛知支部・96期。2005年5月、蒲郡でデビュー。08年4月、常滑・一般競走で初優勝。12年2月、芦屋・周年記念でGI初優勝。14年12月、平和島・GPシリーズでSG初優勝。16年5月、尼崎・オールスターで2度目のSG優勝を飾る。同期には若林将、新田雄史、篠崎元志らがいる。
| 出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 全種別 | 3,829回 | 139回 | 33回 | 48.0% | 65.0% |
| S G | 543回 | 12回 | 2回 | 35.9% | 49.5% |
| G I | 1,064回 | 29回 | 4回 | 40.8% | 59.9% |
| ◆全国成績(最近2節) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 21年 | 7月 | 芦 屋 | SG・オーシャン | 42115225 |
| 21年 | 7月 | 丸 亀 | GII・甲子園 | 616331655 |
| ◆蒲郡成績(最近2節) | |||
|---|---|---|---|
| 21年 | 6月 | GI・周年 | 33112211 |
| 20年 | 11月 | SG・チャレンジC | 24131624 |
昨年、平和島グランプリで初のベスト6入りを果たした。SG2冠ながら今までは「チャレンジャー」だったが、今年は「迎え撃つ立場」としての責任感が芽生え、初めて「絶対に勝つ」と意気込んで臨んだ蒲郡周年で優勝。狙って獲れたことが大きな自信になり、これまでとはひと味違う姿を見せてくれるはず。「獲るべきは地元SG」と強い気持ちで臨む今大会は、平本を中心に動く!
年末のグランプリ出場へ気持ちを強く持って走る
― コロナ禍で変わったことはありますか?
平本 ありがたいことに、仕事に関しては何も変わっていないです。業界的には売上が伸びて、「ボートレース」が注目されているのは感じています。
それに、僕のSNSでも新規のファンが増えています。1号艇で負けたりした時は、メッセージが結構来て…(苦笑)。ネガティブな性格なので落ち込みます。
でも、それは期待値の高さだと思います。気にならない程度の選手なら送ってこないと思うので。ポジティブにとらえられるように変換しています。
― 昨年、初のグランプリ優出を果たしました。
平本 やっぱり、あの舞台に立つと気持ちの部分で変わります。毎年グランプリには行きたいし、行かないといけないと思っていたけど、その想いがさらに強くなりました。
今年は全部のSGの優先出場権があるので、今まで以上に気を引き締めて臨みたい。責任感ではないけど、常に気持ちを強く持って走りたいです。
― では、気持ちも調子も上がっている?
平本 それが、あまり良い状態ではないんですよね。正直に言って、自分が思っているような結果が出せていません。一般戦でも勝ち切れないことが多い。6月の蒲郡周年を勝つことができたので、「これで弾みがつく!」と思ったけど…。その後の児島グラチャンと丸亀甲子園は全くダメだった。エンジンを出し切れなくてボロボロの状態です。
毎年のことではあるけど、プロペラの調整が全くわかっていないですね。これまで夏場の調整のほうが得意だと思っていたけど、結果が伴っていない。良いエンジンなら出てくれるけど、悪いエンジンだと何をやっても反応が出てくれない。昔はプロペラ調整で何とかなることもあったけど、今はエンジン次第の感があります。調整は永遠の課題です。
展示タイムよりも1周タイムを参考にしている
― 平本選手は体感重視の印象がありますが。
平本 そうですね。基本的には、乗り心地を含めた体感を求めるようにしています。でも結果が出ている時は、直線の足がついてきている時なんですよね。乗り心地は無理やり乗れる程度にするくらい。
なので、今までの考え方を変えて行こうかなと思っています。蒲郡周年ではいつもと逆の調整を試してみたら、結果がついてきてくれました。今年の夏はこれで行けるかなと思ったけど、やっぱりそういうわけでもなかった。本当に難しさを感じています。
― 客観的に見て、「平本真之」とは?
平本 どちらかと言えば、駆け引きで勝負するタイプだと思います。レースのシミュレーションをすることもあるし、自分の思い通りになってくれて、それで勝つことができれば嬉しい。展開がハマった時の気持ち良さは醍醐味です。
最近は1周タイムとかオリジナル展示を公表するレース場が増えてきました。従来の展示タイムよりも、1周タイムを参考にしています。1周タイムが人並みか悪い時は、エンジンも良くないことが多いので、狙って欲しくないかな(苦笑)。逆に1周タイムが抜けている時は、仕上がりにも自信を持っている証拠です。テンションも上がります。
あとは気分的な部分にも左右されるかな。結果が良い、悪いはあまり関係なくて、自分が納得の行くレースができているかどうかが重要です。良いレースができた時は、家に帰ってリプレイを見たりするけど、最近はリプレイを見る気にもなれないレースが多い。思い通りにエンジンを仕上げ切れていなくて、思い通りのレースができていない。4月の宮島DCは準優1号艇で負けてしまったし、常滑GW戦でも優勝戦1号艇で飛んでしまって…。好不調に関係なく、勝負所でしっかり勝ち切るのが今後の課題です。
勝ちに行くと決めて獲った6月蒲郡周年の意味は大きい
― 蒲郡SGといえば、10年メモリアルでのデビュー戦が印象的です。
平本 あの時は本当にチャレンジャーでした。SGという舞台で自分がどこまで通用するのか、見極めることが大事だなと。今みたいにSGを深くとらえていなくて、勢いだけで突っ走った感じ。SG初優出という結果も、後からついてきた感じです。
その年は初出場のメモリアル以降のSGに全て出場することができたので、今後に繋がるSGになりました。
― 14年のグランプリシリーズでSG初V!
平本 まさか優勝できるとは思っていませんでした。その時は、まだSG制覇を意識していなかった。それにグランプリの制度が変わった年で(グランプリ出場枠が12名から18名に変更)、やりづらいシリーズだった印象があります。
― 2年後に尼崎オールスターで2度目のSG優勝。ジンクスを打ち破りました。
平本 「グランプリシリーズでSG初優勝をすると、その後にSGを獲れない」ってやつですよね? その話は知っていましたが、同期の篠崎元志が先に破ってくれたので、じゃあ僕も絶対に打ち破れるなと。
そういえば、尼崎オールスターも「絶対に勝つ!」と意気込んでいたわけではなかったかな。あの時は委員会推薦での出場だったので、予選で1号艇がなかった。それでも優勝することができました。
― 自然体のほうが結果がついてくる?
平本 リラックスしていたほうが良い結果がついてくると、ずっと思ってきましたし、これからもスタンスは変わらないと思います。
ただ、優勝した蒲郡周年はこれまでと違う形だった。ドリームにも乗せていただいたので、地元の看板を背負うつもりで臨みました。最初 から「勝ちに行く」って決めていて、本当に優勝することができた。この優勝はかなり大きな出来事です。今までの自分にはなかった部分ですから。
― いよいよ地元の大舞台です!
平本 メモリアルは施行者さんからの推薦なので、どのSGよりもプレッシャーを感じています。直前の蒲郡周年覇者として今大会に臨めるのは、自分にとって大きいです。
昨年のチャレンジCは優出することはできたけど、優勝はできなかった。「次こそ!」という気持ちは強く持っています。地元のSGタイトルは獲るべきだと思っているので、メモリアルで地元SG優勝を狙います!