津水面解説
土屋幸宏
真夏の津水面にはスタートラインに対して斜め左後方からの追い風が吹く。追い風1~4mであった2016年の前回大会はイン1着率58.3%、逃げ以外は捲り差し16.7%、差し15.3%、捲り5.6%と実力者が揃う大会ではイン主体に、差し傾向のレース展開だった。
しかし、現在の津では競技棟工事でホーム側の横ピットを使用している。(※1)そのため、ピット離れを気にせずコースに進入することができ、伸びに特化した調整ができる。2021年3月に横ピットになってからは、チルト3度が同じレースに複数艇いたり(※2)、優勝戦で全艇がチルト0.5度以上(※3)になったこともある。津の横ピット使用後のイン1着率は57.8%と、横ピット使用前のイン1着率59.4%と比べて1コースの1着率は下がっている。
女子戦でも同様に横ピット使用後のイン1着率は56.0%と、横ピット使用前のイン1着率58.2%と比べて1コース1着率が下がっている。インの1着率が下がった分、上昇したのは2コース(15.2%→18.8%)と、5コース(1.4%→4.6%)だ。決まり手も捲りが使用前15.7%から使用後17.7%に上昇している。
夏場はモーターに最も厳しい気象条件での調整が求められ、1コースの行き足が甘いと2コースから一気に捲られてしまうことも。伸び調整した4コースが攻め切ろうとするシーンも多いが、バック側が110mと広く、内側の選手もスピードを持って攻めに抵抗できるため、5コースが絶好の捲り差し展開になる。前回大会の捲り差しの多さからも、攻め手がいるなら、その1つ外でマークする選手の捲り差し1着までイメージを膨らませたい。
真夏の女王決戦はインが主導権を握りそうだが、伸びに特化できるレース環境で激しいせめぎ合いも見られそうだ。
※1 | 横ピット使用前(2019年1月~2020年12月)、 | |
後(2021年3月~2023年6月18日) | ||
※2 | 2023年5月18日第3R ※3 2021年11月3日第12R |
水面解説!
津の水面は広いし、何でもできるレース場だと思います。基本、冬は向い風、夏は追い風ですね。風が強い時は、安定板がつきます。私は安定板がついてもそんなに苦手意識はないです。私自身の買い時としては、いつも展示タイムは良いですけど、ズバ抜けて良い時ですね。それとスタートが決まっている時です。