三国水面は選手を選ぶ。今垣&中島の絶対的地元2強、
松井、魚谷ら準地元勢と篠崎の相性の良さは特筆もの！

今、ボートレースは確実に過去何度かあった"パワー絶対"の時代に突入している。低調モーターでも実力で何とかなるのは一般戦か、せいぜいGIIIまで。GII、GI、SGとグレードが上がるにつれ"パワー絶対"の現実が大きな壁となって目の前に立ちはだかる。

全場が出力低減モーターになり、それに選手たちの感覚が慣れてくれば（来年の春ごろ？）モーター調整にも新たなスタンダードが確立するだろう。しかし現在はまだ一流選手でも（一流であるからこそ）感覚のズレになかなか慣れない様子で、かねてからの"パワー絶対"がより表面化してしまっているという現実がある。

ただ、個人的な話で申し訳ないが、今回は舞台が三国と筆者の地元近畿地区であるというのに、「全てはパワー次第」ですませては情けないという思いがある。そして三国というレース場を思えば思うほど「待てよ・・・」という気持ちになってくるのだ。

三国といえば真っ先に頭に浮かぶのは「地元選手がとてつもなく強い」ことだ。これを強く印象づけるのは何より今垣光太郎（福井）の存在が大きいが、その今垣と近年では五分の戦いを演じる中島孝平（福井）の強さもまた尋常ではない。ただ、この人たちはSG覇者であり、地元で強くて当たり前。今村豊（山口）の下関や徳山での成績を知らないのかと言われそうだが、とりあえず調べてみた。

グラチャン優勝者枠を除く51人の出場選手のなかで、三国で優勝経験がない選手は13人いた。残り38人のうち、優勝が1回のみの選手は20人。残りの18人が三国で複数回優勝しているのだが、そのうち9人がGI以上の記念で優勝している。その9人の地区別内訳は地元2強の今垣、中島を含めて6人までが地元近畿勢。松井繁（大阪）、田中信一郎（大阪）、太田和美（大阪）の浪速トリオと魚谷智之（兵庫）だ。残り3人は前出のレジェンド・今村と池田浩二（愛知）、須藤博倫（埼玉）だが、やはり地の利は絶対で地元勢は別格としても、松井が全てGII以上で4回、魚谷もGI2回を含む5回の優勝と実に素晴らしい。

通算成績ではどうしても不利になるキャリアの浅い若手だが、そのなかで際立つのは篠崎元志（福岡）。三国は通算で9節走って4回の優勝だ。吉村正明（山口）は通算8節で優勝は2回だが、目下連続優勝中。三国は選手を選ぶレース場なのだ。

SG第20回オーシャンカップ出場選手 三国通算成績（2015年6月11日現在）