SGグランプリ総展望
王者・松井繁が4年ぶりに大舞台復帰、さらに初出場組が5人も参戦と、ボート界の歴史に残る大会となりそうだ。そんな大一番の主役を張るのは、満を持して開催3日目から登場するトライアル2nd組だ。
2014年の第29回大会から出場人数が12人から18人に増え、TR1st、2ndの2段階で争われることになったが、TR1st組から勝ち上がり優勝を飾ったのは14年・平和島大会の茅原悠紀(岡山)、21年・住之江大会の瓜生正義、22年・大村大会の白井英治の3人のみ。やはりモーター抽選と枠番の恩恵は大きい。
TR2nd発進6人の中でも、TR2nd初戦に1号艇で臨む今年の選出順位1位の馬場貴也(滋賀)、同2位の毒島誠(群馬)は、そのアドバンテージを最大限に活かしたいところだ。馬場は今年6月の当地68周年でVを飾っており、再び頂点に立つイメージはバッチリ。抜群のターン力を発揮して今年こそ滋賀支部初となる悲願の黄金のヘルメットをつかむ。今回で11回目の出場となる毒島はこれまで5優出。「今年こそ獲ります!」と気合十分だ。
当地GP覇者の桐生順平(埼玉)、峰竜太(佐賀)、池田浩二(愛知)も要注目。池田とともに史上最多タイのV3に挑む峰は優勝戦1号艇で妨害失格となった21年の第36回大会の汚名を返上する思いは強い。先月の高松宮記念で準完全Vを飾った茅原も2度目のGP制覇に燃える。
トライアル2nd進出への切符はわずか6枚。今年は初出場組が5人も加わり、一戦必勝のサバイバルレースで12人の戦士が激闘を繰り広げる。
菊地孝平(静岡)は、惜しくも2nd入りこそ逃したが、実績に関しては威張れる部類。4月に児島周年と鳴門PGIマスターズCの称号を勝ち獲った。平本真之(愛知)は今年の特別戦で優勝こそなかったがSG、GIではそれぞれ3回ずつ優出。昨年のファイナリスト(転覆失格)としては何としても2ndに勝ち進みたい。
不気味な存在は4年ぶりに出場権を得た松井繁(大阪)。地元の後輩・上條暢嵩(大阪)とタッグを組み、前人未到の大会V4へ王者の技量を見せつける。瓜生正義(福岡)は3月に当地67周年を制覇。GP2冠の実績は侮れない。6月の尼崎グラチャンを制した土屋智則(群馬)、ボート界のエンターテイナー・西山貴浩(福岡)の97期コンビも個性を発揮する。
初出場組では今年のPGIでV2を誇る関浩哉(群馬)が自慢の攻撃力を披露。宮地元輝(佐賀)はストロングスタイルで勝負に出る。11月の下関チャレンジCで史上最大の“下剋上V”を果たした河合佑樹(静岡)や、登録番号5000番台で初のSG覇者に輝いた定松勇樹(佐賀)の躍進も必至。佐藤翼(埼玉)も存在感を示したい。