the INTERVIEW

多くのファンが
注目レーサー the INTERVIEW 今垣光太郎

「最近、SGで優勝していないことは
意識しています。
尼崎クラシック優勝で
完全復活&24場制覇達成となれば、
最高ですね」

 2015年は北陸が熱い! 3月14日に北陸新幹線が開通し、ボートレース界でも7月に三国で17年ぶりにSG(第20回オーシャンカップ)が開催される。
 盛り上がる北陸イヤーの熱波に合わせるかのように、昨年は福岡周年、今年は宮島周年で優勝とリズムを上げてきているのが"北陸のエース"今垣光太郎だ。新プロペラ制度開始以降、雌伏のときを過ごしていたが、多くのファンが復活を待っていた。
 完全復活は目前。しかも、24場制覇達成へ残すは尼崎のみ。ダブル達成が今回のSGクラシックなら、ファンも今垣自身も「最高!」だ。

(インタビュー&構成/『マンスリーBOAT RACE』依藤研二)

B2級陥落も経て、ようやくSG戦線に戻れた喜び

--プロペラ制度が変わって、3年が経ちました。

今垣 「ようやくSG戦線に戻れましたね。持ちペラの頃は自信があったんですが、オーナーペラになったら調子も下がるだろうなとは思っていました。
 それよりも、フライングですね。新制度になった期に2本切って、転覆も3回くらいして、B2級になって・・・。しんどかった、というか、寂しかったですね。事故で走れない状態ではどうしようもないですから、モチベーションも上がりません。スタートは思い切って行くタイプですが、さすがに懲りましたねえ(苦笑)。
 今は、SGを走れるチャンスをフライングで台無しにしないように、かと言ってコンマ20のスタートじゃあ勝てないですから、できるだけ早いスタートを行けるように集中して走りたいですね」

--モチベーションの維持のために、特に何かなさっていますか?

今垣 「持ちペラの頃は、休みの間もめちゃくちゃプロペラをやっていました。寝ずにプロペラを叩き続けたこともあります。
 今はレース以外の日は本当にオフなんで、家族と過ごす時間が増えました。趣味は全くなくて、子どもと公園に行ったりして体を動かしています。子供は一番上の子が高校1年生で、そのあとが中1、小5で、一番下の子は5歳、一番上の息子はテニスをやっています。僕も高校の頃はテニスをやっていたので、またやってみたいと思っています」

--息子さんはレーサー志望?

今垣 「その気持ちはあると思いますよ。背が小っちゃくて選手向きですから、僕自身はめちゃくちゃ勧めたいですね。あとは本人次第です。ボートレーサーとして生きるという自覚をもってから、試験を受ければ良いんじゃないですかね。
 僕も、若い頃はメンタル面が全くダメでした。高校を中退して本栖(研修所)に行きましたが、そのくらいの年齢って遊びたい盛りじゃないですか。選手になってからの1、2年は遊びに熱中していたので、フライングはするし、6等ばっかり。やる気はあったけど勝てなかったですね。いつかA級になれれば良いな、としか思っていなかった(苦笑)」

ファンの応援に支えられ、"競艇バカ"徹して飛躍

--それでも、人気、実力ともにトップレーサーに。キッカケは何だったんでしょう。

今垣 「良い表現ではないかもしれませんが、"競艇バカ"になったことですね。僕の場合は父親(今垣武志)が選手やったんで、まだ稼いでないときから『頑張れ! 頑張れ!』って応援してもらったんです。北陸のファンの皆さんは、負けても『何をやっとるんや!?』じゃなくて、『頑張れ! 頑張れ!』って応援してくれるんですよ。僕が二世レーサーだということもあったんでしょう。だからその期待に応えたい、もっと上のレベルに行きたいと思いました。
 "競艇バカ"って、なかなかなれないんですけど、ファンの皆さんの声援の効果が大きいですね」

--SG優勝8回、GI優勝25回と輝かしい成績を挙げておられますが、特に思い出のレースといったものは?

今垣 「SG優勝、GI優勝、そして地元での優勝、その全部です。なかでも99年の児島ボートレースクラシックは初めてSGで優勝戦に乗ったレースで優勝できて・・・、奇跡でしたね。
 99年はその後もすごくて、平和島のチャレンジカップでも優勝しました。SGを勝てるような選手じゃなかったのに、1年間にポンポンと2回も優勝できて、賞金トップで住之江のグランプリにも行けたんです。もう、怖いモンなしでした(笑)。
 スタートもコンマ08くらいを狙っていました。多分、コンマ05以内のスタートを20~30回くらい決めていたと思いますが、それでもフライングはしなかった。この年で自分が一気に変わりました」

今年はSG優勝を狙う1年。地元周年で気合を入れ直し尼崎へ

--今年も目標は「グランプリ制覇で賞金王」ですか?

今垣 「これまで何度も『今年こそグランプリ優勝!』と言い続けてきて負けているので・・・、もう言えなくなってきています。言い疲れたという感じですね(苦笑)。
 今は、数年後もSGやグランプリに出る選手でいる、ということが目標です。今村(豊)さんみたいな選手になりたい。第一線から外れるまで、まだまだボートレース漬けで行きたいです。
 そのためにも、今まで以上に体のケアをしないとね。体力や反射神経は確実に落ちて行きますから。ストレッチと筋トレは十分なくらいやってますよ。腕力や足腰の強さはそれほどでもないけど、腹筋は自信あります(笑)」

--今垣選手は、尼崎で優勝すると24場制覇。ちなみに、今村選手はGI以上の特別戦24場制覇へあと3場。今垣選手も残り6場ですが・・・。

今垣 「いやあ、僕はムリじゃないですかねえ。一般戦込みの24場制覇で十分です(笑)」

--地尼崎クラシックへの抱負、意気込みをお聞かせください。

今垣 「今年は宮島周年で優勝できたけど、びわこの近畿地区選では不甲斐ない成績でした。気持ちで負けていましたね。クラシックは今年一発目のSGなんで、僕だけでなく、出場選手みんながすごく意識していると思います。クラシックの前には地元の三国周年も あるし、そこで気合を入れ直して尼崎へ行きます。
 最近はSGで優勝していませんが、そのことも意識しています。SGで優勝できれば、『また次も優勝する』って気持ちになると思う ので・・・。今年はSG優勝を狙って行きたいです。尼崎クラシック優勝で完全復活&24場制覇達成となれば、最高ですね」

今垣光太郎 選手 データ室
(2015年2月12日現在)

◆通算成績

出走回数 優出 優勝 2連率 3連率
通算 5,505回 264回 89回 53.7% 68.9%
SG 939回 32回 8回 43.3% 59.3%
GI 2,144回 86回 25回 48.9% 65.8%
◆全国成績(最近3節)
15年 2月 びわこ GI・地区選 1 5 6 6 5 1 6 3 2 3
15年 1月 宮 島 GI・周年 2 1 1 3 1 3 1 1
15年 1月  津 一般競走 3 1 1 2 1 2 1 2 2
◆尼崎成績(最近2節)
13年 11月 一般競走 1 3 1 2 1 3 3 1 1 1 6
12年 7月 SG・OC 4 6 1 失 4 6 6 2 3 3