ドリーム戦

時代の最先端を行くプロペラ技術で、どのコースからでも上位着を狙えるオールラウンダー。最も1着率が高いのは90%を超える1コースだが、4コースの1着率も約30%と高い。

3年連続で最高勝率選手になり、オールスターのファン投票は2年連続で1位に輝いた。今年は2位以下を大きく引き離すダントツの票数を獲得と、まさに人気と実力を兼ね備えたボート界のスーパースターだ。昨年大会のドリーム戦では、2マークであっと驚く空中ダイブをして、ファンを驚かせた。

日頃から口にしている「ファン投票1位のオールスターで優勝したい」の夢を叶える、第2ラウンドのゴングが鳴り響く!!

唯一の弱点と言われていた勝負所でのスタートも早くなり、SG・GIの優勝戦1号艇は7連勝中。イン逃げが1着の基本だが、3、4、5コースからの捲り差しも狙える。

40回大会でSGでは初となる優勝戦1号艇を獲得したが、激しいコース争いにペースを乱して6着大敗。その翌日に「悔しくてボートに乗らなきゃ気が収まらなかった」と戸田へ練習に出向いたことは語り草となっている。天下無双のアルティメットターンばかりに目が行きがちだが、負けず嫌いで練習熱心、それこそが強さの原動力になっている。初のSGを制した思い出の地で、40回大会の大きな忘れ物を獲りに行く。

イン逃げ、2コース差し、3コース握りマイ、4コース差しと教科書どおりの動作で着をまとめる。展示タイムが良く、モーターが出ているときは捲り、捲り差しが増える。

松井の上を行くボートを操る技術を持つ選手は数多くいるが、12年連続グランプリ出場、総獲得賞金は36億円と、無人の野を行く偉大な記録を作れるのは何故か?それは松井が己を知り敵を知る“孫子の兵法”を地で行っていることに尽きる。足りない部分はモーター出しと巧みな進入、そして人一倍の努力で補って結果に繋げている。

誰もが認める絶対王者が、SG2回、GI7回の優勝を誇る尼崎で3度目のオールスター獲りへ。

特筆すべきは40%を超える2コースの1着率だ。差しの切れ味が素晴らしい。浜名湖クラシックで見せていた柔軟なコース取りからもわかるとおり、武力と知略を兼ね備える。

今や代名詞ともなっている過酷なまでの減量は、刀工が刀を研ぎ澄ます作業にも似ている。研げば研ぐほど切れ味が増すように、モーターの性能や己の精神力を限界まで高めていく。その状態から繰り出されるターンは、名刀の切れ味だ。今年は平和島周年、浜名湖クラシックで優勝戦1号艇を手にして敗退と悔しさは募るばかりだが、努力は必ず報われる。ファンに選ばれたオールスターという最高のステージで、優勝をつかみ獲る!

攻め手となる1、3コースの1着率は相変わらず高い。他のコースでは2、3着狙いに徹するが、超攻撃型だった浜名湖クラシックの走りを再現すれば1着量産も十分に可能だ。

3月に戸田周年準優でFをした。そのペナルティで徳山グラチャンは休み、GI・GII復帰は秋以降と賞金の上積みが厳しくなった。そんな状態で臨んだ浜名湖クラシックではスタートをブチ込み、優勝戦は意表を突くジカ捲りで優勝。

年齢と経験を重ねるうちに賢い走り方を覚えたが、この型にハマらないスタイルが井口には最も良く似合う。「オールスターまでが僕の勝負だと思っている」。有言実行、SG連続優勝へ突き進む。

コースを問わずに舟券の軸になる。とびきり早いスタートはないが、出足、レース足を仕上げて隙のない走りを見せる。目展示の良さもボート界では屈指。周回展示は必見だ。

昨年の平和島ダービーでは優勝戦1号艇を獲得し、10年ぶりとなるSG優勝の夢を誰もが抱いたが、深川真二との壮絶なマッチレースの末、惜しくも2着に敗れた。しかし、ピット内で発している他を寄せ付けないオーラや、水面を縦横無尽に駆けまわる姿は、魚谷最強時代を築いていた頃に戻りつつある。水面攻略には絶対の自信を持つ地元・尼崎センタープールでのSG優勝、これが「魚谷復活物語」のプロローグとなる。