超舟券術

鼓動が加速する夏。暑さが熱さに変わる夜。
『マンスリーBOAT RACE』「超」舟券術 松長彰の極私的OCEAN CUP総展望

桐生 クラシック覇者 石野 オールスター覇者に続くのは茅原か、はたまたか。
居並ぶ強豪を迎え撃つ重成森高に追い風!

今年1月から鳴門グラチャン前までSG・GIレースは21あったが、その優勝者は19人。2つ勝っている原田幸哉(長崎)と桐生順平(埼玉)を除く17人が1つずつ勝っている。この原田と桐生はまだしも、残り17人の“今年のSG・GI覇者”は「好調」と言って良いのかどうか。ここまで毎回のように優勝者が“今年初”というなら、今回もまだ勝っていない選手のなかから優勝者が出る可能性のほうが高いような気がしてくる。

もちろん「好調」な選手は存在する。3月の児島クラシックと5月の福岡オールスターの2つのSGで連続優出した選手がいる。前出の桐生と、石野貴之(大阪)、茅原悠紀(岡山)の3人だ。しかもこの3人はただ「好調」なだけでなく、何より選手として毎日がピークみたいな底知れぬ“強さ”を最も感じさせる。グラチャンで茅原が優勝していなければ、ここかなというムードはある。

峰竜太(佐賀)のSG初制覇は、今や全てのボートレースファンの願いかもしれない。プレッシャーとかは言っても仕方のないこと。ましてや平常心で臨むなんて無理な話。ギリギリの緊張感の中で最上級のワザを見せつけてほしい。

しかし、丸亀は地元選手が圧倒的に強い水面。重成一人(香川)と森高一真(香川)のどちらかがサラッと優勝しても(おそらく当人ほどは)誰も驚かないだろう。丸亀で2度のSG優勝がある池田浩二(愛知)や、ナイターといえば山崎智也(群馬)、毒島誠(群馬)も無視できない。毒島も丸亀SG覇者だ。

あとは、前哨戦ともいえる4月の丸亀周年で堂々のGI初優勝を飾った中田竜太(埼玉)のレースに注目だが、その優勝戦に駒を進めた松井繁(大阪)と田中信一郎(大阪)が、福岡オールスターでも揃って優出している。この賞金王V3コンビの貫禄十分なリラックス感は何ともいえず不気味だ。ちなみに、そのコンビをはじめ、ここに挙げた選手の大半は6月半ばの時点でまだ“今年のSG・GI覇者”ではない。