総展望

GRAND CHAMPIONSHIP 総展望

全選手、全関係者、ファンのほとんどが初体験。
何が起こるかわからない徳山・グランドチャンピオン!

走り慣れている地元3強が有利

ついに徳山がSGの舞台となる。いや、正確には「久しぶりに」だ。

徳山でSGが開催されたのは1954年のダービーだけで、実に64年ぶり2回目。調べてみると、当時は8艇立てで、SGという呼び名はなく、全国発売でもなかった。もしかすると「前回も現場で見た」というコアなファンもいるかもしれないが、徳山の常駐スポーツ紙記者はもちろん、ほとんどの関係者にとっては「SG初開催」。それは選手も同様で、それだけに何が起こるかわからない大会と見ている。

そんな胸躍る大会、グランドチャンピオンを引っ張る存在となるのは、やはり、白井英治(山口)、寺田祥(山口)、今村豊(山口)の地元勢だ。そのなかでは、昨年のお盆戦から今年の正月戦、GW戦と優勝している寺田がややリードか。

徳山は選手によって得手不得手の差が大きい。干満の差によるスタートの難しさや、風や潮位などのコンディションによってレース傾向が激変することなどがその理由だ。「走り慣れている」というのはそれだけで大きなアドバンテージになる。

遠征勢では魚谷、吉田が当地好歴

地元勢以外でも出走機会が多い選手が有利だ。魚谷智之(兵庫)は16年以降の約2年半で5回も出場、一昨年の63周年では優出3着と好走した。54周年の覇者でもあり当地を得意にしている。吉田拡郎(岡山)も63周年で優出したほか、17年は地区選、特別タイトル、MB大賞と1年に3回も参戦した。ともに、久々のSGタイトルへ期待が懸かる。

また、出走機会はそれほど多くはないが、当地実績がある茅原悠紀(岡山)、今垣光太郎(福井)、萩原秀人(福井)に注目。さらに、最近では2月の64周年を制した笠原亮(静岡)に、17年10月のMB大賞で優勝した新田雄史(三重)が水面相性の良さを発揮して大会を盛り上げそう。

そこに、毎年、この時期から調子を上げてくる昨年覇者の石野貴之(大阪)や、グラチャンV3の湯川浩司(大阪)、全24場制覇へ残すは当地のみの「マジック1」となっている原田幸哉(長崎)らも加わり、激戦を繰り広げる。

長嶋の男女混合戦優勝は徳山だけ

最後に期待も込めて注目したいのが長嶋万記(静岡)と小野生奈(福岡)の女子勢。この両者、当地は意外に走る機会が多く、しかも結果を残している。長嶋は15年3月に優勝したが、通算27回(5月8日現在)の優勝のうち、男女混合戦で優勝したのはその1回、つまり徳山だけだ。小野も15年8月に当地で優勝したが、これも男女混合戦。

冒頭、「何が起こるかわからない大会」としたが、ついに女子初のSG制覇というシーンが見られるかもしれない。