かつてのSG戦線は、大河ドラマのようにその年ごとに大きな流れのようなものがあったが、近年のSGレースはその1戦1戦が全て一話完結のすっきりした短編ドラマのようだ。今年はオールスターとグラチャンを石野貴之が連覇したが、主役の石野を除く優出した残り5選手はそれぞれ全く異なり、2つのレースにはつながりとか流れといったものを感じさせるものは何もなかった。

いま、平和島ダービーを観ながらこれを書いているが、その思いは強くなるばかり。ダービーでの久田敏之が次は誰になるのか？　魚谷智之（兵庫）は誰になるのか？　深川真二は？　それは前検日のお楽しみだ。もう1つのカギとなるグランプリ出場を懸けたトップ6とそれに準ずる7位～18位の争いのほうは、獲得賞金表を見れば一目瞭然。いちいち選手名を挙げて説明する必要もないだろう。

そうなれば、ここは頑張ってくれそうな選手、つまり筆者の個人的な願望を書くしかない。その1番手は、田村隆信（徳島）。実力は周知のとおりで調子が悪いわけでもない。チャレンジカップV2実績は今垣光太郎（福井）とこの田村だけ。2度あることは…に懸けたい。この大会は下克上イメージが強いが、優勝者は意外なほどスター選手ばかり。今年イケてなかった（といってもSG優出はある）スター選手といえば、篠崎元志（福岡）だ。

でも、スター選手が勝っているなら、松井繁（大阪）や田中信一郎（大阪）や峰竜太（佐賀）に地元の二枚看板、白井英治（山口）と寺田祥（山口）に…、そうそう、山崎智也（群馬）も忘れてはいけない。しかも山崎は、下関でまだ優勝していない選手のなかで文句なしにトップ級の水面実績を持つ（ややこしいな）。

その山崎と同じ境遇で続くのは、井口佳典（三重）と森高一真（香川）。先ごろ太陽系の外から飛んできた彗星が発見されたというニュースが出ていたが、久々に銀河系軍団が存在感を示すときだという暗示かもしれない。スターつながりでもあるし、ね。