コース&モーター&レーサー
サンライズレースの影響でイン1着率アップも、
本当の芦屋はどこからでも勝てるレース場である。
夏の芦屋は鏡のような静水面だがスタートは難しい。
芦屋の水面は広大な淡水プールである。1マークは対岸までの距離が87mと回りシロが広く、返し波の影響もほとんどないため、スピードを持った全速捲りや全速捲り差しを繰り出しやすい。
逆に2マークは狭いため、全速戦での逆転は決まりにくい。地元の西山貴浩いわく「2マークは調子に乗って握ると、壁に激突してしまうほど」だとか。
芦屋でのGII以上の特別戦は冬場が多く、風速が強く荒れ水面の中で行われることが多かった。夏場の風速は穏やかどころか無風の日もあるほどで、水面も鏡のような静水面が多い。
ただ、風向きはスタート展示と本番レースで変わるなど変化の周期が短い。「芦屋はスタートが早い」と言われる高速水面だけに、スタートに神経をとがらせる選手が多い。
イン1着率56.9%は“半分はインが負ける”ということ。
一般戦では第1~5レースまでの「サンライズ戦」をはじめ、多くの1号艇シード番組が組まれている。そのため、最近6ヵ月のイン1着率は56.9%とインの強さが際立っている。
裏を返せば、約半分のレースでインが負けるということである。インが強いというイメージが植え付けられているだけに、2、3着に敗れたときの配当は、他のレース場では考えられないほど跳ね上がることが多い。
芦屋の舟券は“何でもアリ”を大前提に。
以前は広い水面の特性上、4コースがインに次ぐ1着率を誇っていた。2015年5月に現行の出力低減モーターに変わってからは2コースに抜かれたものの、大きな変化はない。2コースから4コースまでの1着率の差はそれほどなく、4コースが差しに回ったときの5コース捲り差しもソコソコ決まる。6コース以外ならどこからでも勝負可能な水面である。
ただ、2、3着争いは以前にも増して激化。3~5コースの2着率は順に21%、17%、12%と他場ほど差がない。3着率に限っては2コースから5コースまでそれぞれが約20%と拮抗。1マークが広いため、道中は全速戦での逆転シーンも多く見られる。
ヤマト331型導入後 コース別入着率
| 進入コース | 1着率 | 2着率 | 3着率 | 4着率 | 5着率 | 6着率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1コース | 57.1% | 18.7% | 9.1% | 6.1% | 4.6% | 4.0% |
| 2コース | 13.5% | 24.3% | 18.3% | 16.2% | 14.4% | 12.4% |
| 3コース | 10.4% | 21.3% | 20.6% | 18.1% | 16.3% | 12.3% |
| 4コース | 11.7% | 17.5% | 20.3% | 18.7% | 17.0% | 13.7% |
| 5コース | 5.8% | 12.2% | 17.7% | 22.1% | 22.5% | 18.4% |
| 6コース | 2.0% | 6.5% | 14.5% | 19.1% | 24.4% | 32.4% |
SGで見せたハートの強さで中村桃佳が大仕事するか。
中村桃佳は意外にも女子のビッグレースは今大会が初出場。7月からA2級だが、今年は2月四国地区選でGIデビュー、5月の福岡オールスターでSG初出場と大舞台を経験。男子強豪相手にも物怖じしないハートの強さがある。
芦屋は7月のヴィーナスSなど今年3度の出走、3月一般戦では男子相手に準優勝と大健闘した。モーターは切り替わったが、調整面でのアドバンテージは大きい。広い水面で持ち前のスピードを存分に発揮できるだろう。
展示タイムの良いモーターは良いモーターである。
芦屋のモーターは6月「ルーキーシリーズ第4戦 日本トーター杯争奪戦」から使用、前検1番時計をマークしたモーターがバカ噴きしている。1節目は羽野直也の「17」と、村松修二の「25」がトップタイ。2節目は「17」と組んだ池田雄一。とにかく行き足から伸びが強烈。展示タイムが良いモーターが総じて動いている。