the INTERVIEW
「僕の中でリズムは上向き。
オーシャンカップは
優勝戦に乗れるんじゃ
ないかなって
思っています」
コロナ禍で日本中が我慢の生活を強いられている。ボートレースも無観客開催や入場制限、レース時間の変更など、さまざまな制限がある中でレースを行っている。その中でモチベーションを維持し、SGに出場し続けているのが瓜生正義だ。福岡クラシック、若松オールスターに続き、福岡県開催SG第3弾となる芦屋オーシャンカップで、本物の強さを見せつける。
うりゅう まさよし 1976年3月5日生まれ。福岡支部・76期。
1995年5月、若松でデビュー。96年11月、平和島・一般競走で初優勝。98年7月、常滑・周年記念でGI初優勝。2007年5月、住之江・オールスターでSG初優勝。16年12月の住之江でグランプリ初制覇。同期には原田幸哉、魚谷智之らがいる。
出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
---|---|---|---|---|---|
全種別 | 6,064回 | 301回 | 86回 | 55.1% | 69.5% |
SG | 1,153回 | 37回 | 10回 | 42.2% | 58.5% |
GI | 2,438回 | 109回 | 20回 | 49.2% | 65.8% |
21年 | 6月 | 児 島 | SG・グラチャン | 2 3 3 6 1 6 3 1 5 |
21年 | 6月 | 福 岡 | GI・周年 | 4 2 3 4 2 1 5 3 3 |
20年 | 12月 | タイトル(正月戦) | 1 失 1 帰郷 |
20年 | 8月 | タイトル(お盆戦) | 3 1 1 4 1 1 1 2 1 1 |
(2021年6月27日現在)
コロナ禍で生活が変化し新人選手の歓迎会もできず
― コロナ禍で今までの生活が一変しましたが、どのような影響が出ていますか?
瓜生 コロナ禍のこの1年間、外食は少なくなりましたね。レース場の行き帰りも、打ち上げとかできなくなりました。新人選手が入ってきても歓迎会ができません。飲み会の席のほうがざっくばらんというか、深い話もできるので、その点は残念ですね。
うちの子供たちもコロナにはけっこう神経質になっていて、学校から真っすぐ帰ってきています。家族での外食はほぼゼロになりました。
レース場への移動も基本的にひとりです。誰かと会話することもないですし、なるべく物に触らないようにするとかして予防しています。仕方のないことですが、僕たちもちょっとしたことから対応していかないといけませんしね。
― ボートレースも無観客開催や取材規制など、大きく変化しました。
瓜生 そんな中で、レースをさせてもらっているというのはありがたいですね。多くの方々の尽力があってこそです。
売上が好調というのは業界的に良いことだと思っていますし、売上が上がっているということは、レースが面白いっていうのもあるかもしれませんが、ファンの方が選手の良い面を見てくださっているのかなって思います。それと関係者の方々の努力のお陰だと思います。そんな期待に応えられるように、もっとしっかりと頑張らないといけませんね。
全力でやった結果が優勝というスタンスで走ってきた
― SG優勝は2019年の常滑・オーシャンCが最後です。
瓜生 実は、2年くらい前はエンジンに関して結構迷っていることが多かったんです。
逆に、今は意外と迷いなく調整できて、エンジンも動いてくれている感じはありますね。結果は出ていませんが。
結果が出ていないのは、自分の問題です。しっかりとレースできていない感じがありますね。スタートを行けなかったり、1マークで展開は見えていたのに、そこに入れなかったり、いろいろな面があるので。ちょっとしたことで勝つか大敗するかが分かれてしまう。その度に反省しているんですけど、同じことを繰り返してしまっています。
― 連覇が懸かった昨年の鳴門大会は優勝戦1号艇で3着でした。
瓜生 昨年の優勝戦は、自分ではスタートをばっちり決めた気だったのに遅れてしまいました。完全に自分の実力不足でしょう。
振り返れば、エンジンももう少し動かせたなって感覚もありますね。その時は気づかなかったことですけど。準備不足を含めて、力が足りなかった。もっと上手くできたんじゃないかなとは思います。
― 冷静というか、淡々としていますね。
瓜生 若い時は「勝たなければいけない」という気持ちが強かったですが、最近は勝ちたいというよりも、しっかりやらなければいけないという気持ちが強いですね。妥協せずにやり切るというか。2年前にオーシャンCを優勝した時もそうですし、コンスタントに1年に1回はSG優勝できていた時もそんな考えでした。優勝を目標にはしていますが、一生懸命やった結果に優勝がついてくるというか、目の前のことに力を入れるというスタンスは、ここ何年も変わっていないと思います。
SGをまだ1、2回しか勝っていない時は、「勝たなければいけない」と思うことでメリットがあると思っていましたが、今は良い意味で、そういう思いは薄れているのかな。
地元のSGを走る時はやっぱり力が入る
― 瓜生選手にとって、地元・芦屋はどんなレース場なのでしょうか。
瓜生 芦屋は、若い時に一番練習をやっていたレース場です。あまりクセがないので、いつ走っても乗りやすいですね。芦屋のファンは熱いというか、熱心というか、水面際からの応援に凄く熱意を感じます。他のレース場にはないものです。
やっぱり地元のSGを走る時は力が入る感じがあります。最近、地元でそこまで成績が振るわないのは、そのせいなのかなって、勝手に思う時もあります。本当は自然体というか、どのレース場を走る時も同じ気持ちで走らないといけないんですけどね。
― オーシャンCで1回、メモリアルで2回優勝していますが、夏場が得意?
瓜生 若い頃から、夏場は結構成績が良いんです。得意とかではないんですが、結果が出ている気がします。これからの自分に期待したいですね。最初に調子が良いと調子に乗ってしまうので、ちょうど良いかもしれません。
年末のグランプリを視野に優勝を目指して全力で走る
― 福岡県でのSGは今年3度目、今回の芦屋オーシャンCが大トリです。
瓜生 福岡クラシック、若松オールスターとも他支部の選手にタイトルを持っていかれたので、オーシャンCは地元・福岡支部の誰かが優勝したいですね。
やっぱり地元選手が優勝したら盛り上がります。6月の福岡周年で後輩の前田将太がGI初優勝しました。レースからピットに上がってきたら泣いていましたもん。こっちももらい泣きしてしまいました。
今回の芦屋でも、レース場で応援してくださるファンの方も地元の人が多いでしょうし、その声援に応えられたらなと思います。
― 瓜生選手の調子はどうでしょう?
瓜生 僕の中では、“尻上がり”ってことで良いですか? クラシックの予選敗退から始まって、オールスターでは準優敗退だったので、オーシャンCは優勝戦に乗れるんじゃないかなって勝手に思っています(笑)。
芦屋のエンジンはまだ新しいので、いろいろと確認することは多いと思いますが、調整面やエンジンに関しての不安は一切ないです。
ミスも実力のうちですが、自分ができる限りのレースをできるかどうか、それだけですね。年末のグランプリを視野に、優勝を目指して全力で走ります。