コース&レース傾向

2015年QUEEN誕生の舞台は難水面・福岡。師走の風が、激戦の行方を決める。

福岡のコース&レース傾向

風向次第で水面コンディションが激変。
北風なら地元勢優位、南風ならスピード勝負!

コース

荒れる北風と、穏やかな南風

水面

序盤2日間が大潮で、GIクイーンズクライマックスが始まる3日目以降は中潮。その3日目以降は、満潮が午後に来る悪い潮回り。開催期間中は、2007年のSGグランプリと同様にうねり対策が施されるが、風向き次第で水面はうねりが出て大荒れになることも。

うねりがひどくなるのは「北」「北西」「北東」と、海側からの北風が吹いたとき。水面に慣れている地元勢、機力出しよりも旋回力に長けたタイプが幅を利かせる。

対照的に抜群の水面コンディションになるのが、スタンド側からの南風が吹いたときだ。これなら少々強めの風が吹いても水面は落ち着くので、スピードレースが期待できる。モーターパワーを前面に出すタイプや、旋回力自慢のなかでも、よりスピードに特化したタイプが力を発揮しやすい。

レース傾向

女子戦は徹底的なイン外しも一考

全国有数の「イン受難」水面。最大の理由はコースレイアウトで、1マークの振り幅が大きいのでセンターはまっすぐ走る形で1マークには最短距離でたどり着く。イン選手と同体のスタートなら、センター、特に3コースの選手が自然と捲る形になりやすい。

6月に出力低減モーターが導入されてからは、以前と比べてイン1着率は10%近く上昇しているが、1日平均3~4本だった逃げが、4~5本になったと考えれば良いだけ。しかも、温水パイプが装着された10月末以降は、イン1着率が明らかに低下中。特に気温が低下した11月からのシリーズは、イン1着率が低めで推移しているので、「福岡はインが強くなった」と考えて、1号艇主導の舟券を買い続けると痛い目に遭うだろう。

クイーンズクライマックスはGIだが、参考になるのは7月の周年ではなく9月の「ほぼオールレディース」や10月の「GIIIオールレディース」だろう。この2節のイン1着率は38.9%と41.7%。当地で行われた過去の女子戦(表1)も、イン1着率はほとんどが20~30%台と強烈なイン受難の傾向。当地の女子戦は徹底して、インを外すのも一つの方法だ。

福岡は展示タイムトップの舟券貢献度が、とにかく高い。機械計測のうえに、BSの計測位置が1マーク側に60m寄っているおかげで、行き足の差がそのままタイムの差に出るからだ。

表2からもわかるとおり、出力低減モーターになってからの展示タイムトップの成績も上々。初下ろしから、3連率が60%を割った節は3節しかない。この高確率なら、展示タイムトップを必ず舟券に絡めるのが当地の攻略法と言える。

表1 福岡・最近5年の女子戦コース別1着率
開催月 1コース 2コース 3コース 4コース 5コース 6コース
11年 10月 34.7% 20.8% 23.6% 11.1% 8.3% 1.4%
12年 2月 30.6% 22.2% 20.8% 18.1% 6.9% 1.4%
13年 3月 30.6% 19.4% 22.2% 15.3% 11.1% 1.4%
13年 7月 27.8% 19.4% 16.7% 22.2% 11.1% 2.8%
14年 9月 25.0% 23.6% 22.2% 22.2% 6.9% 0.0%
15年 3月 40.3% 25.0% 26.4% 5.6% 1.4% 1.4%
15年 10月 41.7% 29.2% 12.5% 12.5% 4.2% 0.0%
表2 福岡・現行モーターのシリーズ別展示タイムトップ成績(2015年6月~12月)
開催月 1着率 2連率 3連率 開催月 1着率 2連率 3連率
6月一般 22.2% 49.4% 65.4% 9月一般 21.6% 46.6% 59.1%
6月一般 20.8% 44.4% 56.9% 9月一般 28.2% 45.9% 65.9%
6月一般 29.7% 40.5% 51.4% 9月ほぼ女子 24.7% 48.3% 68.5%
7月一般 31.5% 60.7% 75.3% 10月一般 28.4% 52.2% 61.2%
7月一般 32.9% 51.9% 61.3% 10月一般 25.0% 42.0% 63.6%
7月周年 31.3% 51.3% 61.3% 10月AL 32.6% 51.7% 65.2%
8月一般 25.0% 44.6% 62.5% 11月一般 38.6% 60.2% 69.9%
8月お盆 25.9% 50.6% 71.6% 11月一般 20.0% 42.7% 60.0%
8月一般 32.5% 52.5% 71.3% 11月一般 22.0% 50.0% 63.4%
9月一般 29.5% 47.7% 72.7% 12月企業杯 30.0% 53.8% 67.5%

注目選手

当地成績はグレートマザー・日高が断トツ!

当地の女子戦は、地元福岡勢が圧倒的な強さを誇る。なかでも日高逸子(福岡)の実績は断トツで、日高が女子戦で優勝戦線に絡まなかった節は一度もない。

地元若手・渡邉の福岡経験値は、ベテラン遠征陣並みの高さ

若手ではシリーズ戦に出場する渡邉優美(福岡)に注目。デビューからの出走数は川野芽唯(福岡)を大きく上回り、小野生奈(福岡)とほぼ同等。経験値は遠征勢のベテラン並みに高いので、シリーズでは主役を演じる可能性も。

水面適性で言えば、遠藤エミ(滋賀)、三浦永理(静岡)、長嶋万記(静岡)がオススメ。遠藤は当地と同じくうねりがあるびわこ育ちで、女子屈指の波乗り巧者。三浦、長嶋は女子では絶対的なスピードの持ち主で、当地のSGを経験しているのも強み。当地で活躍できる条件が揃っている。