超舟券術

「超」舟券術 松長 彰の クイーンズクライマックス 極私的総展望

「強い者が勝つ!」のクライマックス、「モーター次第?」のシリーズ戦!

ボートレースはパワー&スピードの時代に突入している。イン有利の基本は変わらずとも、攻め手が持つ強烈なパワーはそんな常識を丸飲みしてしまう。誰がその"力"を手にするかが最大の関心事になることもしばしば。

だが、こんな時代にも我々が慣れ親しんだ「強い者が勝つ」ボートレースを見せてくれる"一座"が存在する。それが女子レーサーたちによる戦いだ。

GIクイーンズクライマックス

寺田の強さは水面やモーター勝率を超える!

男女区別なく同モーターを使用するのにそんなバカな、と思うだろうか。では、寺田千恵(岡山)の芦屋GIIレディースチャレンジカップ優勝に至る5節の成績をどう説明する。その5戦全てで寺田は優出を果たし、優勝3回、準優勝2回。その間の1着率は5割を超え、2連率は楽に7割を超える。これを「モーター運が良かったから」とあなたは片づけることができるだろうか。今回の結果に関係なく、寺田は既に女王である。

寺田に次いで近走好成績なのは平高奈菜(香川)だ。平高といえば一撃戦のイメージが強いが、それは過去のもの。現在はもっと人っぽくしたたかな強さを持つ。むしろ以前の平高のイメージを継承するのは遠藤エミ(滋賀)だ。走るたびに威力を増す全速戦は既に女子ではトップレベルにある。鎌倉涼(大阪)はその攻撃力にしなやかさをプラスした印象だが、寺田に似た女王らしさでは三浦永理(静岡)に一日の長がある。

気づけば真の強さを手にしていたという選手は男子にもいるが、最近の女子では大瀧明日香(愛知)と松本晶恵(群馬)だ。逆に流れが良くないのが、地元で連覇に挑む日高逸子(福岡)と大舞台に強い山川美由紀(香川)、そして夏冬女王連覇に挑戦する滝川真由子(長崎)だが、時流に合ったパワー攻勢で突破口を見出したいところ。

 
GIIIクイーンズクライマックスシリーズ戦

シリーズ戦はモーター次第のサバイバル!

シリーズ戦は低調モーターが多くなるので、サバイバルモードになるのは必至。平山智加(香川)以下、金田幸子(岡山)、魚谷香織(福岡)、宇野弥生(愛知)、香川素子(滋賀)や連覇に挑む中谷朋子( 兵庫)ら銘柄級とて下位クラスの機力では正直厳しい。

逆にいえば、技量や経験では少々見劣ってもパワー優位ならチャンスはあるということ。その条件付きで狙ってみたいのは細川裕子(愛知)と津田裕絵(山口)だ。この両者、いつの間にか筆者が知っている当人たちとは別人になっている。さらにいえば、ここで海野ゆかり(広島)や岩崎芳美(徳島)が圧倒的なレースを見せても、これまた何の不思議もない。