the INTERVIEW
注目レーサー the INTERVIEW
「お客さんの前でSG優勝したい。地元SG制覇へ、一生懸命頑張ります!」
しのざき ひとし 1987年12月3日生まれ。福岡支部・101期。
2007年11月、福岡でデビュー。10年9月、福岡・GIII新鋭リーグ戦で初優勝。13年9月、ヤングダービー 新設に伴い最後の開催となった桐生・新鋭王座決定戦でGI初優勝。20年5月、住之江・オールスターでSG初優勝を飾る。兄は篠崎元志、同期には片岡雅裕、後藤翔之、守屋美穂らがいる。
| 出走回数 | 優出 | 優勝 | 2連率 | 3連率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 全種別 | 3,485回 | 120回 | 42回 | 47.2% | 65.5% |
| S G | 341回 | 6回 | 1回 | 38.4% | 58.0% |
| G I | 783回 | 13回 | 3回 | 36.9% | 56.5% |
| ◆全国成績(最近2節) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 21年 | 2月 | 福 岡 | 一般競走 | 1514511222 |
| 21年 | 2月 | 大 村 | GI・地区選 | 52412512 |
| ◆福岡成績(最近2節) | |||
|---|---|---|---|
| 21年 | 2月 | 一般競走 | 1514511222 |
| 20年 | 11月 | GI・周年 | 3335364115 |
今大会は巨人と人類の戦いを描いた大ヒット漫画「進撃の巨人」とコラボしている。その「進撃の巨人」と重ね合わせるならば、現役最強レーサーの峰竜太、クラシック3連覇を狙う吉川元浩ら遠征勢が“巨人”、迎え撃つ地元勢が“人類”となるか。
中でも注目したいのは、今大会の主人公・篠崎仁志だ。純地元の当地は現役選手最多の通算V13を誇るドル箱水面で、攻略には絶対的な自信を持つ。またSG覇者として初めて迎える地元SGとあって「本当の意味で優勝を意識している」と気合十分。さらに「次はお客さんの前でSGを獲りたい」と臨戦態勢は整っている。悲願の地元SG制覇へ向けて、福岡へやってくる“巨人”たちを討伐する!
SGオールスター優勝で兄弟の目標を達成できた
― 昨年を振り返っていかがですか?
篠崎 昨年は住之江オールスターで初めてSGを勝つことができたし、獲得賞金(約1億1000万円)もキャリアハイの数字を残せたので、とても良い1年だったのかなと思います。
正直、SG制覇には自信がありましたし、いろいろなメディアで「SGを獲る」と話してきました。思っていたよりも時間が掛かってしまったかなとは思いますが、この結果に驚きはありません。
― オールスター優勝戦は1号艇でした。プレッシャーは?
篠崎 予選をトップ通過してから優勝を意識するようになったけど、優勝戦は意外と緊張はしていなかったです。無観客開催だったので「こんなもんかな?」って感覚はありました。
マイナスな意味じゃなく、プラスに考えて欲しいんですが、お客さんが居るのと居ないのとでは、緊張度は違っていたと思います。やっぱりお客さんが居ればもっと緊張していたと思うし、外的な要素も増えていたんだろうなと思います。
― 松尾泰宏・幸長兄弟に続き、史上2組目の兄弟SGウイナーになりました。
篠崎 その記録は優勝するまで知らなかったんですよね。それよりも、兄(篠崎元志)と一緒にSGを獲れたことが良かったし、昔から2人で掲げていた目標を達成できたことが何よりも嬉しかったですね。
― SGを獲ってから気持ちに変化は?
篠崎 レース面で変わったことは、意外とないんですよね。今までやってきたことを、そのまま続けている感じです。
ただ、SGを獲れたことは改めて良かったなあと思っています。優勝したあとに周りの方からたくさん祝福していただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
グランプリを獲るには賞金ベスト6は必要条件
― 21年前期適用勝率(20年5月~10月)は初めて勝率8点台をマークしました!
篠崎 勝率に関してはあまり気にしていません。今までも勝率7点台は残せていたし、これからも勝率を意識しながら走ることはないのかなと思います。10月くらいに「8点も勝率を残しているんだ」って思ったくらいです。最終的に勝率8.31という数字を見て、まあまあ凄いなって思いましたけど(笑)。まぐれでも獲れる数字ではないので、素直に嬉しかったですね。
― 3度目のグランプリは、初のトライアル2nd発進でした。
篠崎 賞金王を目指すには、賞金ベスト6に入っておかないとダメだと思っていたので、その点については良かったですね。
グランプリは一発勝負なので、トライアル1stからだと、優勝するまでの道のりが険しい。今回はダメだったけど、やっぱりトライアル2ndからじゃないと優勝は厳しいと思います。今回のグランプリは新たに感じることも多かったので、この経験をしっかりと今後に繋げていきたいです。
― 年が替わって、近況の調子はどうですか?
篠崎 芦屋の正月戦で優勝することができたし、僕にしたら良いスタートを切れたんじゃないかな、と。
いつも冬場は調子が悪くて(苦笑)。たまたまではなく、調整面を含めて絶対に何か原因があると思います。それを考えてやってはいるけど、なかなか結果が出ないんですよね。解決策を見つけないといけません。
福岡の走り方、うねりの対応方法はわかっている
― 今年は純地元の福岡でSGが開幕します。
篠崎 福岡のSGには4度出場していますが、何かパッとしないですね。成績だけ見れば第41回、44回、46回大会は予選を突破していますが、かといって活躍できた印象はない。中途半端なまま終わっちゃった感じです。
| 13年 | 第40回オールスター | 46616362 |
| 14年 | 第41回オールスター | 626231333 |
| 17年 | 第44回オールスター | 444112433 |
| 19年 | 第46回オールスター | 243213312 |
― それでも福岡は現役トップの通算V13を誇る水面です。
篠崎 現役トップは嬉しく思っていますが、実績では瓜生正義さんのほうが全然上です。瓜生さんは優勝12回のうちSGが3回、GIも3回獲っていらっしゃいますし、僕とは次元が違います。福岡の実績に自信が持てるようになるのは、もっとSGやGIを獲ってからかなと思います。
福岡の地元スター候補(現フレッシュルーキー)に選んでいただいて、ほかの人よりも多く走らせてもらいました。その時に培った経験は今でも大きな財産です。福岡はうねりや水面、干満の差、風向きなど、いろいろな条件があるけど、それぞれへの対応方法はわかっているつもりです。
福岡は確実に地元勢が有利な水面です。福岡のうねりは、1マークに行ってみないとわからない。それでも「こうなっているんだろうな」っていう予測は、ほとんど当たっています。スタートに関しても「この潮回り、風向きならこうすれば良い」って、わかっています。そのあたりの経験の差は有利に働くと思うし、このアドバンテージをしっかり生かしたいです。
「とにかくSGを獲る」から
「地元のSGを獲りたい」へ
― それは頼もしい! 今回はSG覇者として初めての地元SGです。
篠崎 今までは「地元SGが獲りたい」とか「どのSGが獲りたい」とか、生意気なことは言っていられませんでした。とにかくSGのタイトルが欲しかったので。
SGを獲ったうえで迎える今回のクラシックは、いつもとは違うSGになると思います。地元のSGを獲れたらどんな感じなのかなってワクワクしているし、本当の意味で、地元SGを獲ってみたいっていう想いが強いです。
― ドリームは6号艇です。
篠崎 えっ? 知りませんでした。もう変更はないですよね(笑)。まさか乗れるとは思っていなかったので嬉しいです。
予選の6号艇とは違ってドリームは得点増しなので、この6号艇は大きい。チャンスはあると思っているので、自分らしいレースをお見せしたいです。
| レース種別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 予選・一般戦・準優 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | 1 |
| ドリーム戦 | 12 | 10 | 9 | 7 | 6 | 5 |
― それでは、最後に地元クラシックへ意気込みをお願いします!
篠崎 無観客開催だった昨年の住之江オールスターは、走っていて寂しい気持ちでした。そこから有観客開催に戻って、やっぱりお客さんの前でレースできることは幸せだったんだと気づきました。この状況下でも走れていることに感謝しています。
それに、売上や利用者の増加など、業界全体の盛り上がりも感じているので、自分も少しでも力になれればと思っています。
今回も入場制限がある中、観に来てくれるお客さんはもちろん、画面越しで観てくれるお客さんもいると思います。理想を言えば、お客さんの前で優勝したい。そのためにも一生懸命、頑張ります!