総展望

当地ドル箱・吉川の同一SG3連覇に注目!

今大会最大の注目は吉川元浩(兵庫)だ。19年の戸田、20年の平和島に続くクラシック3連覇の大偉業が懸かる。同一SG2連覇は吉川を含め過去に14名いるが、3連覇はいまだに達成者ゼロ。

難攻不落の記録だが、吉川は現在、当地で18年の65周年、19年のオールスター、20年の67周年と3連続Vを特別戦でやってのける離れ業を展開中。「こんなに相性の良いレース場は他にない」というドル箱水面なら、史上初の同一SG3連覇、そして同一レース場特別戦4連続Vの快挙をダブルで成し遂げる可能性は十分だ。

峰がクラシックVで最多獲得賞金更新へ!

ただ、記録的な注目は吉川だが、主役は峰竜太(佐賀)で間違いない。昨年は史上初の5冠王(MVP、最多獲得賞金、最多勝利、最高勝率、記者大賞)に輝き、現役最強の名を欲しいままにしたが、今年はこの内容のアップデートが求められる。ターゲットは昨年、艇王・植木通彦の記録にあと一歩に迫った最多獲得賞金の更新。峰は特別戦V20(21年2月14日現在)だが、そのうちV11が7月以降の下半期とややスロースターターの傾向。1~3月の優勝が5回と少ないだけに、ここを改善できれば夢の“3億円”超えも。前年のグランプリ覇者が翌年のクラシックを制したことは一度もないというジンクスも打ち破りたい。

絶好調の地元・西山がSGVへ意欲!

クラシックの出場者は、優先出場組(グランプリのファイナリスト、前年度覇者)、SG・GI・GII優勝組、一般戦の優勝回数組の3つに分かれるが、2000年以降のウイナーを分類すると、優先出場組が6名、特別戦組が10名、一般戦組が4名。昭和の時代は“番狂わせ”が起きやすいSGだったが、近年は優先出場組、特別戦組が圧倒的な強さを誇っている。となればこの優先出場組である西山貴浩(福岡)、特別戦組である篠崎仁志(福岡)、瓜生正義(福岡)、岡崎恭裕(福岡)の地元勢に期待したいところ。当地SGV3の瓜生、現役最多の当地V13を誇る篠崎はもちろんだが、近況の勢いなら既にGIを制している西山が上。昨年のグランプリでのファイナル進出で、「意識が変わった」というのは本物。SG初Vの機運はこれ以上なく高まっている。

上野&岩瀬が“番狂わせ”を起こす!?

近年優勝が遠ざかっている一般戦組とはいえ、今回は侮れない。一般戦組からの優勝者の特徴は、選考順位の最上位が多いということ。今回で言えば昨年V8の上野真之介(佐賀)と岩瀬裕亮(愛知)が該当する。上野は昨年SG初優出、岩瀬も養成所時代から評判の大器とあって、第47回大会を制した馬袋義則以来の“番狂わせ”を起こすなら彼らだろう。