ボートの最高速度は時速約80kmであるが、水面ぎりぎりを走っていくため、レーサーの体感速度はおよそ時速120kmといわれている。全速でターンマークに突っ込んでいくということは、安全ベルトもない中、時速120km近い体感速度でターンマークに突っ込んでいくということになるのである。さらに、現在の高速旋回時代においては、より鋭く高速な旋回を求め、ボート上に立ちながら旋回するモンキーターンが主流になっている。レース中継などでは、簡単に旋回しているように見えるが、安全ベルトなしで、激しい波の衝撃や、強いG(遠心力)を直に受けながら、瞬時に他艇の動きを察知し「逃げ、差し、まくり」へ操艇していく能力は、長年の厳しい鍛錬によって習得できる高度な技術であり、レーサーが一流のアスリートといわれる所以でもある。